『フェア・プレイ』読了

モノクロームロマンス、フェアシリーズ第2作読みました。

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今回はエリオットの父親の過去にまつわる話。登場人物がまた多……いんですが、とりあえず主要人物は前作と変わらずなので、そこまで苦労はしなかったかな。

 

エリオットのパパの家(つまりエリオットの実家)が全焼するシーンから始まるんですが、緊迫したこの冒頭の時点で既に、エリオットとタッカー同居してるのが分かってキャッキャと喜んじゃった。いやまあ前作読んでるんでそれは知ってたけど。やっぱ一緒に生活してるのが分かるシーンから得られる栄養ってあるから……。

 

ローランド(パパ)は無事で、でも何か隠しているような様子。エリオットがそれを問い詰める前に失踪してしまう。一連の事件にはどうやら活動家だったローランドの過去が関係しているようで……、というストーリー。

サスペンス要素は前作より抑えめで、人間関係にフォーカスした内容。行方不明のローランドを探して、父の昔の仲間たちをエリオットが訪ねて回るんですけど、老人たちから適当にあしらわれるエリオットがあるあるすぎて笑ってしまった。親の知り合いと会うとマジでこれよ!永遠にこっちのこと10歳くらいと思ってる。海外でもそうなんだ。

 

途中、エリオットがパパ関連でバタバタしてる最中に、タッカーも自分を捨てた母親と再会することになって………みたいな展開になるんですけど、このシーン本当に好き。向こうから会いたいと言われて、困惑しつつエリオットについてきて欲しいと言うタッカーも可愛いし(親ってものを知りたかったと言う理由含め)、結局会ってみたら、母親も再婚相手もいい具合に最悪で、それについてガッカリするとともにエリオットに対して嫌な気分にさせてすまないってなるタッカーも、何よりタッカーを守らなきゃ!ってなってるエリオットも、全部が愛だったな〜。

エリオットとローランドの関係を間近で見ることによって、自分にもこんな親が(もしかしたら)いるのかも、これからそういう関係になれるのかもと一瞬でも期待したタッカーの気持ちを思うと私は……泣いてしまうよ、こんなの。しかも最悪なかたちで期待を裏切られて、でも期待した自分が馬鹿だったって思うんだよね。タッカーて頭がいいから自己完結が速くて、切り替えも早いけど心がそれについていくかというとまた別問題なんだよな……。それをエリオットがちゃんとフォローしてあげてたのが本当に良かった。家族なんだって言われたタッカーの気持ちを思うと……2人、ずっと一緒に暮らしてくれ。

 

前作だと、エリオットがタッカーのことをどう思っているのか(どういう温度で好きなのか)読んだらこちらには少し見えづらくて(エリオット視点だからかも)、前作読み終えてからもちょっと引っかかっていたんですけど、ちゃんとタッカーと一生をともに過ごしたいと思ってるようでめちゃくちゃ安心したかも。なんかタッカーの執着心ばっか目立ってたから(これはエリオットが危ない目に合うせい)。

 

最後のシーン、ローランドが怒りながらもエリオットをハグして会話するシーン、めちゃ良かったな……1人の人間としてエリオットがやったことにガチでキレてるあの瞬間に、ちゃんと父親として息子にフォロー入れられるの本当に人格者すぎる。エリオットもちゃんと分かってるしさ…‥泣けるよ。あとエリオットが頑固で猪突猛進な正義漢なとこ、完全にローランドからの遺伝で笑ってしまいますね。

 

そんな感じで!次作で完結?なのかな。楽しみ